[目をこらして見ると、あちこちに火の手が上がっている。
傷ついた――既に生きていない兵士があちこちに屍となって倒れており、無残な光景だった。
さっき居たところが天国なら、正にここは地獄のよう。あぁ、そうだ、ついさっきまで俺もこの中にいた。
呑気に菓子など作っている場合だろうか、まだ、戦争は終わっていないのに。]
あれは。
[目についたのは、橋の付近で折り重なっている2つの遺体。
見慣れた公国軍将官の上に、帝国軍が。
上からかぶさっている身体は、剣が刺さって痛ましい。
しかし、二者は不自然にも顔が重なっている。>>3:719
あの人影は――]
……!!
[どちらも、”先輩”だった。
我が軍総大将であるラウツェニング准将と……リエヴル先輩。
それは、壮絶な相討ちの現場。]