[>>+148自分の言葉に考え込む砲術長の邪魔しないようにしていた。
そして言葉が紡がれ始めればじっと聞き入って。]
……。
そうだったのですか。
[参謀に囁かれた言葉を思い出す。
兄は砲術長にとって大切な存在だったのだろう。
悲しみに暮れる家族を前に現実を受け入れざるを得なかった男はそこまで兄が思われていた事に喜びと哀しみの両方を覚える。]
――そんな風には思いません。
心があれば当然の事だと思います。
それに――…、
貴方が“こんな体たらく”なのだとしたら、ローゼス軍の水準は著しく低下してしまいます。
[親友を失った事実を受け入れられずにいた事が彼のその後にどう影響していったかは分からないが。
肩を竦める彼に冗談めかして言ってみせる。]