[彼女の目がオズワルドに向いて。横顔が、柔らかな笑みを浮かべる。鈍い自分にも、そうと知れるような。彼女が今は心穏やかならば良い]…はい。[無理も我慢もしている自覚はあまりなく、だから案じる響きにはただ優しさを嬉しく思いながら頷いた]……。[忘れてしまった、と。オズワルドがいたからと言う言葉を疑えるほど、彼女を知る訳じゃない。だから少しだけ、目を伏せただけで。自分の死の瞬間、共にいた彼の消えた方向に、また視線が向いたーー]