[そして、シフォンケーキと箱を差し出されれば。数度、琥珀色を瞬かせる。] え――――……。 これを、俺に……?[シフォンケーキの形は、少し崩れていて。見ただけで、慣れない者が作ったということがうかがい知れる。思わず、まじまじとトールの顔を見つめてしまった。]