[サブ・ラボの【オーディンの箴言】の栞を読んだ後。
メイン・ラボの入り口の方から、
「シューシュー」という、何かを吐くような
不気味な空気音に似た音が聞こえます。
めいん・ラボの扉の上、何も見えなかった天井に
ゆっくりと、巨大な半透明の毒蛇が、姿を現します。
体長は10m近くあり、太い胴体は人間なら数人を
丸のみできそうな程。
それはゆっくりと色彩を増し――…数秒で銀色の鱗と、
爬虫類特有の、冷たい蒼い眼をした、巨大な蛇となります。
銀色の牙が尖る顎から、チロチロと赤い舌と、
ぬるぬるの蒼い毒液を滴らせています。
「ひぇええ、ヨルムンガンドだぜェ!」
「ヨルムンガンドだわ! 気を付けて!」
フギンとムニンが騒ぎだします。]