― 青い世界・西寮 ―[どのくらいそうしていたのかわからない。狂おしいほど大切で儚い幻影>>6:44に寄り添っている間は、永遠のようで、一瞬のようにも感じた。ぬぐってやれなかった涙が枯れた頃、彼が懐から取り出した物>>6:45を見て、大きく息を飲みこむ。]……持っていてくれたのか。[その金色の懐中時計は、まさしく自分が彼に贈ったものだった。 胸が熱くなって、思わず、右手で胸元をさぐる。手に当たった革紐に結ばれた蒼い石>>0:576をぎゅっと握りしめた。]