[男は、新たにこちら側へやってくる者の元へ行こうとはしなかった。また、すでにこちら側に来ているであろう者へ会いに行こうとも思わなかった。本当は、見に行くべきだったのかもしれない。どちらに女神が笑むのか。本当は、会いに行くべきだったのかもしれない。花園でひとり、苦しむ彼女に。][だけど、ワタシにはそうする資格がなかった気がする。][そうするのをどうしても正しいと思えなくて。][だったら、どうして彼の顔を今、見ているのか。]