[少女の周囲には冷たい空気が漂い始めていた。先刻は緊張気味に練り上げた魔力が研ぎ澄まされているのが分かる。魔法を放った後は、セイジの魔法の加護で瞬時に移動する手筈となっている。――先程のような失態は犯さない。そんな誓いを胸に秘めて。正面を見ればステファンと視線が合うだろうか。少女は彼に向かって微笑んでみせる。そうして]