まあねぇ……普段、絶対に泣くなんてしないようなのが、こっちに届くくらいに大泣きしてたわけだから。
[引っ叩かれたのは、その反動と、もしかしたら照れ隠しだったのかもしれない……というのは、後から思ったこと。
なお、直接は問えなかった。いろんないみでこわくて]
ん、ああ、別に構やしないよ。
そういう所に可愛げがあったから、俺も嫁にしたようなもんだしね。
[こんな風に、妻の事を誰かに語った事はなかった。
思わぬ流れではあるが、これはこれで得難い時間なのかもね、なんて。
ふと、そんな事を思っていた。**]