― 卒業パーティ ―
[受付で、え、…みたいな顔をされたが、こほん、と咳払いをし]
カサンドラ=レイヴンウッドだ。
[続いて、ですよねー!みたいな声がした。
普段の適当に白衣を羽織っただけの格好ではなく、ダンスパーティ相応しい藍色のドレス着用である。布面積はスカートに多く、上はシンプルに。
自然、胸元も大きく開いているわ、背筋も見えるわ、だが、夜はまだ冷える。ざっくりと白狐の毛のケープを被ってもろもろを誤魔化す。
本来なら着飾る宝石や飾りなどあれば映えるのだろうが、装飾品は、左手薬指の銀の指輪だけ。髪飾りの一つもなく、長めに伸ばした髪はいつものように流しているだけである。
お金の使い所のよくわかる装備であった]
[お土産のプレゼントはちゃんと用意しているようで。
小奇麗な手提げを提げていた。……ハンドバックではない。]