>>+124>>+134
―地下迷宮:夜空の玄室―
仕方ないなぁ。
じゃあ、ローレルに、牙も爪も、無くっても。
私を飲めるようにしてあげる。少しだけ、目、閉じてて。
[少女が瞼を閉ざしたのを確かめて、銀髪の贄姫は背伸びをするように両腕を天井にかざす]
……それでね、ローレル。その間に。
ゆっくり、ゆっくり、思い出して。昔のこと。
小さな頃のこと。よく着てた服。お気に入りの色。
[掌に仄白い月光が集まって、吸血鬼の裸身に纏いついていく。幻想から実体へと変わっていく。
数秒を経て、その身体は■薄い空色のワンピースに包まれていた。その間にも、言葉は続く――]