【墓】 ならず者 ディーター

［しばらくカタリナの顔を困ったように見下ろしていたけれど。
そのうち、深いため息を吐いて。カタリナに視線を合わせるように、自身も(空中に)胡坐をかいて座った。］

……カタリナ。
金狼様は駄犬じゃないし……駄犬じゃないし…駄犬じゃないし！

［言ってたらなんか腹立ってきたな。
彼女が避けないようなら、ぺちん！とちっとも痛くなさそうな音と共に、カタリナの両頬を両手の平で挟む。］

だいたい、お前は世界で一番大事な子まで駄犬呼ばわりする気か！？

［カタリナの両頬を挟めていたなら、そのまま顔をむにむにともみくちゃにしてやる。

薄々気が付いていた。本当は。
だけど、オレの金狼様《かみさま》が人狼《そう》だなんて、認めたくなくて。］