[――リエヴルの心は、おそらく「戻って」いるのだろうとステファンは思う。
死した今、現世のしがらみを捨てて過去の友情を大切にしている……と考えるには、あまりにも屈託がなさ過ぎる]
(……友情?)
[>>+122トールを相手に頬を染めていたのを今さら思い出して、ミルクティーを口元から零しかけた]
[学生時代のふたりが、とても親しかったのは知っている。
「できている」との噂を耳にしたことはあったが、下品な冗談でしかないと思っていた]
(……愛?)
[>>+127その言葉へ、トールはやたらきっぱりと反応していなかったか。
>>+129ふたりのやりとりを、ついじーっと観察してしまう]