あ、ノーラさん…!
[話しかけられ、振り向けば、そこにいたのは数日前に栄養ドリンクを渡してくれた男の姿。
こちらに来ていた、ということは――… と、
その身に何が起こったのか、いくつかの可能性が浮かび上がり、
咄嗟に、命はあるのかがひどく気になったのだけれど、
それを即座に蒸し返すのは憚られて、まずは問われたことに答えることにする。]
ん、何かに見られてるような気がしたんだ。
けど、何も見えなくてさ。
でもさっき、通路で銀の狼も出たから、
何がいるか分からないし、気を付けた方がいいよ。
[そう言って、移動中に出くわした『フェンリル』について、その様子を伝える。
自分たちのあとから到着したのだろう彼が、何か知りたいことがあったなら、
ここに至るまでに起きた出来事や、知る限りの状況説明は行っただろう。]