[拳を開き、握り、身じろいだ少女へ、囁きを投げる。その音が届くことはないと知っていつつも。]――ふふ。見えないわよ。 私があなたに見せようと、思ったもの以外は、何も。[ままならぬ五感をそうと受け入れたのか、少女は訝る様子をひとまず収めた。古老は微笑み、静かな聲を送る]