[「支配 はしない」と、薔薇の薫りが響んだ。] 紅榴… 候[水そのものの滑らかな動きで美顔が寄せられれば、焦点が蕩けるかに思う。喘ぎを殺しかねてひくつく喉へと、耳朶から珠の指先が伝えば目の色はさらに移ろった。礼の動きを借りて、強いて視線を外す。現実へ引き戻すように投げかけられる家名の軛がそれを可能にした。] 回答を、 感謝する。 おれの分限で、元老の考えを、有り様を教えてもらえるのは、光栄だ。