[少女は神父のもとへと駆け寄る。羽織っていたブランケットが風で飛ばされ少女の背中の羽が露になる。肩甲骨から根を伸ばし横に広がっていく黒い翼。人には無いなそれ。少女はつま先で立って神父の頬へと手を伸ばす。もしも神父が屈んでくれたら彼の首へと腕を回して抱きしめようとした。]ジムゾン、此処に居たんだね。泣いて……いたの?[頬に流れる涙は拭い取られた後だったが少女は確信を持った声で訊ねた。]