そうね、じゃあとりあえず、口を開けてみて。あーん、って。こんな風に。[演じてみせて、同じようにさせたローレルの口腔をじっと覗き込んだ。どこにも異状のない、健康な歯並び――人間であればの話だが。]んー……噛み付こうとすると、自然に歯と牙って切り替わる感覚、なんだけど。つん、つん。[どれほどの回数そうしてきたかなど、古代の妖魔には数えようもない。却って言葉にしづらい感覚。別の方法を用いることにした。]