【墓】 仕立て屋 エルナ

[魂だけのの残滓となった今、自分に残されたものは過去だけだ。それは、どんなに悲惨な末路を辿ったとしても、変わることはない。

大切な人と共に旅立ち、同じく魂だけの存在となったリーザも、きっとこの騒動の犠牲者なのだろう。>>+91

彼女も、これまでの大切な日常を壊された1人なのだから。

その場を後にしようとする彼女>>+92に、声をかけようとする。
それは声という実態を伴っているのか、それともテレパシーのような共鳴能力なのか。どちらにせよ、彼女に届いたかは定かではない。]

　……まて。

　許すもなにも、
　最初から俺は怒ってなんかいないさ

　この村には禍が訪れる
　最初からそう決まっていただけの話さ

　俺の中では、
　リーザは今でもこの村の"村人"だ

[自覚のない者の苦しみは、たとえそれが勘違いだったとしても、誰よりもわかる気持ちだ。

「自分に投票してほしい」と願い出た彼女の気持ちは、想像に難くない。*]