[ユーリエが『虚無』の内側で見たもの、為したことを、知る術はない。
けれどそれは、ただ憎み、打ちのめすための力ではなかったのだろう――そう思う。
何故なら激しく暴れていた触手は、最期の瞬間、まるで内側のものを抱き留めるかのように折れ曲がり、そして力を失ったのだから。
それは或いは、感謝の意を示した、ようにも見えるだろうか]
[いずれにしろ『虚無』の身は崩れ、やがてユーリエの姿も見えるようになる>>+110]
やったね、ユーリエ。
よく、あの中に飛び込んだよ。
[それは体の頑丈さに頼る自分とは、また異なる勇気だっただろう。
彼女のことはメレディスに任せ、自身は安堵したようにその場へ座り込む*]