[そこには別れの言葉が書かれていた。
「破棄されたとしても忘れないでほしい」と書かれていた]
そう、か……。
辛い事を思い出させて悪かった。
[ユーリエは語る。
――例えお墓がなくても、私は覚えてる。
――私は忘れない。私が破棄されるその日まで。
その言葉は彼女の感情か、それとも、それすらシステムなのか?
儚げに思えた少女はしかし、仲間の死を悼み哀しみ忘れる事もせず穏やかに微笑んでいた。
それがどれ程の年月をかけたものか、それがどれほどの痛みを伴うものだったのか、彼女と少ししか話した事のない彼には分からない]