[映像は進む。
止まることなく進む。
知らずにいた真実がすべて、間を置くことなく、次々と突きつけられる。
向かい合うふたり、エレンとドロシーの姿が見えたとき、]
エレン!!
[思わず、叫んだ。
ドロシーの正体を知っているがゆえに、そうして、テオドールの死を見ているがゆえに、
全身の血が凍り付くような恐怖に蒼白になって、今にも駆け出しそうになるのだけれど、
駆けだす――どこへ?
これは過去の出来事だ。
ドロシーが人狼なんだ、危ない、逃げろとどれだけ叫んだとしても、彼女には決して届かない。
そうして、
何が起こったとしても、触れることも出来ない、
守ることが、出来ないんだ。]