………!!![『虚無』の中は、触手に絡みつかれた時以上に激しく深く感情を湛えていた。昏く、重く、苦しいそれを、ユーリエは知っている。時として、この感情が優しく包んでくれる事があるとも、知っている。百年の間この感情を抱いた人の中には、きっとここから抜け出せなかった人もいるだろう。この感情が無ければ、壊れてしまった人だって、いるだろう。あの時を経ていなければ、きっと今ここに居る自分はいなかった様に。だから]