[部屋へ入ると、ぞわりと足元が寒くなった。
ホログラムとなって感覚は無くなったはずなのに、
肌を突き刺すような鋭い視線を感じる。
獲物を確実に仕留め切れる瞬間を待つ狩人のように、
荒れ狂う激しい殺意を押し殺して、
相手の一挙手一投足を、瞬きすら見逃さないとでも
いうかのような静かな圧力に私は思わず足が竦んだ。
何かが私達を見ている、そう私は確信する。]
なななななななにか居る。
誰か確実にこっちを見ています。
どこ、どこなのです!?
[十文字槍を構えて、辺りを見渡しても、殺意と視線は感じるのに
その視線の主を見つけることは出来なかった。]