ー回想・脱出ポッドー
[…は自分自身が意識不明の重体になり、幽体離脱してから、様々なものを目にしてきた。
過酷な状況に、狂い、恐怖に振り回される人達。
気の合った相棒と共に、人狼と戦う人達。
そして、ガルーに寄生されながらも、自我を貫く人達。]
僕は、ハダリーのことを何も恨んでません。
知ってます。貴方が僕のことを冷凍後も気遣ってくださっていることも。
貴方は、確かに人狼なのかもしれない。
でも、貴方は他のどんな人間よりも人間でした。
[ありがとうと口にした時だっただろうか。
ハダリーを乗せた脱出ポッドは、広い宇宙空間へと旅立っていった。]