[運搬員宜しく肩へと担ぎあげ、彼が元居た場所であろう宿まで羽を大きく広げ、揺らし、飛んで運ぶ。暗闇を受けての浮遊感厚布の中からは抵抗はあったか。それでも構わず運ぶ。じっとしていろ、と温度無き低い声音はマルベリーの念話として彼の鼓膜へと届け。移動の間はろくに口も利かぬ。さながら冥府に人を攫う死神のよう]