[ 鼻づらを寄せてくるのに少し身を引きながら、しっぽを振っているのを見て、ようやく、その犬の顔に指を伸ばした。頬から耳へ、頭へと掌を移動させて。 ]ふかふかしてる。ふかふか、ふか、ねむい……[ そうしてまた、木の後ろの茂みに丸くなって、あくびを一つ。犬がその横に寝転がれば、あたたかくやわらかい腹に頬を押し当ててまた眼を閉じる。 ]こわいゆめ、みた……もう、みない……?