……気遣いは必要ありません。
求めの程度も推し量れぬ、浅ましい身でありますから。
実際、格下相手に劣る様を見せていれば、私の器も知れようものです。
[気遣いなどとは思っていないが、歯が浮くとも流石に言えず。
どうせこの醜態を楽しんでいるのだろうと思うと、喉まで迫り上がった言葉は、再び内へと戻された。
首を這うものが気持ち悪い。
――気持ちがいい。
傷をつける鋭い痛みが気持ち悪い。
―――気持ちがいい。
視界を自ら奪ったせいで感覚が鋭くなれば、これも失態だと心の内で毒づく。
意識しないようにしていれば、嘲笑うかのように口付けられた]