『そう、ファミーユ様があなたの運命の人だったのね』
[ ジークの言葉に頷く顔を、ファミーユも覚えてはいるだろうか?まだ子供だったディークを連れて領地へと挨拶にやってきた女性の、当時のままの姿だ。
彼女は、微笑みをファミーユへと向け、恭しく一礼する ]
『どうか、キースをよろしくお願いします、ファミーユ様。あなたがこの子の支えとなって下さった事、とても嬉しく思います』
[ それは、彼女を護ると言ったジークの言葉が、彼女を支えとして生きる、と同義だと理解する、母親ならではの言葉と言えた ]
『ここから出る方法は願うこと、そして信じること。今の貴方になら出来るはずよ、キース...』
[ 優しい微笑みを彩るように青い月光が揺れた** ]