― 食堂・カークのお料理教室 ―
[ちーん、と軽快な音が響いて、
ラングドシャが焼き上がる。……甘くて香ばしくて、いい匂い。
様子を見て、カークがうんうん、と頷いた。
カークに促され、クッキー生地の乗った天板を、
熱いオーブンにするりと滑り込ませる]
……旨そうに食ってる奴見るの、好きなんだよね。
メルやソマリにはいつも食われるけど、実は結構俺も楽しくて。
[多分そんなことは、ばれているのだろう、と思う]
カークくらい料理が上手だったら、見放題だろうなぁ、
いいなぁ、と思って。
[だからさ、教えて欲しいと思ったんだよ。
カークの耳元でひそひそと言って。
焼き上がったラングドシャに目を落とす]