[彼の腕に抱かれたまま男と少女は雪道を歩き続ける。止まない銀嵐を眺めながら少女は薄らと唇を開いた。]あのね……。[弱々しい少女の言葉は吹雪に掻き消されてしまいそうだった。]さっきは、言えなかったんだけどね、リーザが消えてしまったのはね、…………。視られてしまったからなの。神父様は、視える人だったの。それで、リズは溶けて消えてしまったの。*