[底冷えのする紅い眼を爛爛と輝かせた銀狼の
鋭い牙の覗く口元には、
銀色の羊姿のこの船のメイン・システム
キャプテン・メリーが.
まだ、 喰らいかけの獲物のように、
ぐったりと咥えられていました。
爪で引き裂かれたような裂傷の赤が、
銀色の毛をあちこち血色に染め、
食い込む牙からは、ぽたりぽたりと、血が滴り落ちています。
先程よりも、出血が多くなり、血塗れです。
そして――…
もう、貴方達に語りかける様子もありません。
そんな巨大な銀色のフェンリルの横には、
スコルとハティと呼ばれた、
少し小型の銀色の狼たちがいます。]