[もやもやした何かは、さっぱり言葉にならなくて。でも、多分何かを言うべきなのだろう。そう思いながら、彼の頬を撫でる] ――…俺がお前に、 ひどいことをした夢をみた。 無事を、確かめに来たよ。 [端的な乾いた言葉は、口から零れ落ちる過程で僅かに丸くなった。背の汗が気持ち悪かったが、涙には遠かった。触れた掌からは暖かさが伝わり、指先は鼓動を捉える。意識を束ねて引き寄せ、感覚をつなぐための]