[心のうちを聞いてしまった責任感からか、カスパルは上司に掛け合うと約束してくれた。
制御装置は豆粒以下の小さなものらしく、単体で持ち歩くのは紛失の危険があるということで、職員たちには強制的に埋め込まれているのだそうだ。
異邦人に与えられる装置も生体に埋め込むことはできるが、ほとんどが"肌身離さず身につけるもの"に装着することを選ぶという。
どうしますか、と聞かれてしばし考え]
では、これに。
[制服のネクタイを緩めてシャツのボタンを外し、首にかけていた金属製のペンダントを取り出す。
よく観察すれば、繊細な装飾の施されたトップは螺子式になっていて、小さいが何かを入れておけるようになっているとわかっただろう。]