…鏡?
[首だけを巡らせ、ジークムントが視線を向ける方向を見遣る。
姿見くらいの大きさはあるだろうか、丸い形の鏡が見えた。
自分達が映っているのだ、鏡であることは間違い無い。
けれど、やがて映されていた姿が揺らぎ、異なる姿を作り為した]
えっ…!?
[映し出された姿に私は驚きの声を上げる。
一瞬、ジークムント本人かと思ったけれど、鏡の人物は本人よりも細身で、軍服ではなく神官の長衣を纏っていた>>+90。
輪郭も柔らかく、ジークムントに良く似た女性であることが知れる]
ジーク。
[頭上から聞こえる、母と言う単語。
呆然としている様子に、私は見上げながら彼の名を呼んだ*]