【見】 【墓】 医師/御用聞き レト

[黒い体躯の毛は逆立ち、耳はぺたりと頭につき
尾を体に寄せて縮こまる1匹の黒猫。
まだ仔猫らしく、カナリーの瞳は恐怖と衝撃、
見知らぬ自分に対する警戒の色が伺えた。]


　『フゥ゛ゥ゛〜〜〜〜〜〜ッ゛ッッ！』
　《オ前誰ダ、ナニモノ！？来ルナ！！》


　　みゃぁう！？みぃっ！？みにゃーーーぁっ！
　《え、あ、おい！？違うって！
　　俺は話を聞きに来ただけだっての！》


　『にゃぁーーーーーうっ！にゃーーーうっ！』
　《ロロー！？俺や、俺やで！ラルや！
　　何？もうボスの顔忘れてん？寂しーわぁ〜》


[騒ぐこと10分、猫缶1缶の犠牲により
ようやく話を聞いてくれたが

尋常じゃない怯え様は変わらず、
なかなか口を開かない。]