あの子供に、何かを強制するつもりはない。
ただ、自ら手を振り払ってしまえば、
繋がりはそこで途切れると知ってほしいだけだ。
孤独を厭いながら、孤独に籠ろうとしてしまう子供に、気付いてほしい。
それだけだ。
[そこまで言ってから、彼の言葉にふと、顔を上げる。]
とある偉い人が言った言葉を知っているか?
友情とは、誰かに小さな親切をしてやり、お返しに大きな親切を期待する契約である。
だそうだ。
何かあるなら言うといい。言うのはタダだ。
あんたの希望通りにはすべて動けないが、
希望の摺り合わせで見える未来もあるだろう。
[そう笑う。]