(……不幸では、なかった。俺は) 明日を楽しみに瞼を閉じること。 見えない先に希望を見て、それに願いをかけること。 ……彼が初めて自分に教えた、それは。 灰色の諦念で満ちる自分の中でなお枯れ落ちず、ささやかに花を咲かせていた。 ほんの小さな花だったけれど。 求める星が、あたたかな地があったから。