[ 振り返った彼女にかつての面影はなく
獰猛な獣の姿がそこにあった
────人狼
聞いたことはあるが、こんな身近にいたなんて
獣となった彼女は続ける ]
"こノままじャ、カレをたべテシまう
ソレはイやなの……
かれハきっと、ワタしをころシてくれナイ
じぶンじゃコワくてシねなかっタ
たのめるのは、アナタ ダケ ナノ────"
[ 随分と身勝手な願いだと思った
けれど彼女が
誰よりも人を傷つけたくないのはわかってた
アイツが彼女を殺せないのもわかっていた
だって、友人だから ]