[……泣いてくれたって事実は変わらないのに。それでも、あんなヨアヒムの様子を見て、ひどく安堵したのは紛れもない事実だった。同時に、あれはヨアヒムの意思ではなく、ヴァルターかディーターに命じられて逆らえずにやったことなのだと、思うことにした。だって。そう思わなければ。身体だけでなくこの魂まで、切り裂かれてしまいそうだった]