― 談話室 ―
………え、あ、……アルビンさん?
[先にいたのはどちらだったか。
ともかくアルビンの姿を認めると驚いたように目を見開いた。
やがて詫びるように小さく目を伏せると空いている席に座る。
選んだのは、ヨアヒムから最も遠い席。
とはいえ、ヨアヒムを見つめる瞳は淡々としている。
そこには一切の怒りも恨みもこめられていない。
泣きはらしたような赤い目が、見る者に痛々しさを少なからず、与えただろうが。
立ち直るきっかけを与えたのもまた、ヨアヒムだった。
傍らで聞いた言葉。>>126
間違いなく、“クララの死”を悲しんでいるように、思えてならなかった]