[己の荷物を手に取る姿にふと思い出す。]――あぁ…そういえば頂いた菓子がそのままだったな…。…別れる前に三人で食べれば良かったか。[水盃ではないが。と、そんな事をぽつりと零した。死ぬ危険は承知の上での志願だった。ジェフロイ達を恨む事はない。彼らは彼らなりのやり方で戦った。只それだけの事。命を賭して戦った事、死の瞬間に悔いはなかった。けれどこうしてまだ意識を残っていると味方の命が大勢奪われてしまった事が、もう守れぬ事が只々、哀しい。]