[彼の温もりに満ちた布団の中で今日の事を思い返せば、走馬灯のように色々なものが去来する。
けれど思い出されるのは、彼の事ばかりで…]
(……遅くまでボクに付き合ってくれたゲルトさん。
安心させてくれようと、一緒に寝てくれたゲルトさん。
その温もりがとっても温かくて……出来るなら、このまま…。
――だけど。
ボクにはやらなくちゃいけない事がある。
自分の身を守れる力を持ってて、けどそれを他の人の為に使う人。
ボクはその人を、その人の代わりに護りにいく。
ボクでは、護りきれないかもしれないけど…。
やる前から、諦めたくはない。
例えボクが襲われたって、それで村の誰かを守れるのなら。
…だから。)