[それから聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で、”俺もアルビンが好きだよ。”と呟いた。
そんな答えを聞きたくなかったと言ったアルビンを、余計傷つけてしまいそうで怖かったから。でも真っ直ぐな思いに応えず黙っていることも無理だった。
泣くアルビン>>35を止めることはできない。無理して気持ちを押さえ込ませるような真似はさせたくなかった。これが最後の瞬間というのは良く理解しているし。だからいつかのように、帽子越しに頭を優しく叩くことしかできない。]
”そういえば、アルビンはヨアヒムとパメラが死んだときは泣けなかったんだっけな。”
[そんな思いが口の中だけで、誰にも告げられずに溶けて消えた。]