[一見、村の少女達と何ら変わりのない少女。彼女に「異変」が生じたのは、
少女が神父に拾われて6年だか7年目を迎えて幾月か経ってのことだった。
冷える朝、ずきずきとした痛みに少女は目をさました。
不思議に思って、自分の指で背中に触れて確かめてみれば、
ちょうど、肩甲骨の付け根、背骨に近い部分。
対になる場所に手探りで見つけた、ふたつのしこり。
その丸みを帯びた腫れ物の一番高い場所に裂け目があって、柔らかな正体のないものが生えていた。
リーザが慌てて鏡で確かめてみれば、
少女特有のシルクの肌に出来た裂け目から小さな翼が生えていた。]