― 厨房でケーキつくってるよ! ―
[あまり手の込んだ菓子を作った事はなかったが、基礎はわかるので、カークの指示を受けて手伝っていれば、次第に厨房に甘い香りが満ちる。
ついでに、オードブルやおつまみ各種も用意されただろうか]
なあ、カーク。
ウェディングケーキ、いちおう予備も作っとかないか?
[トールとリエヴルのケーキを作る際。
ふと思い出したのは、いつかの卒業パーティ(皆から見れば6年前)のこと。
その他にも、カップルらしき生徒たちが何組かいたので、ウェディングケーキ追加ーなどと言い出した覚えがあった。
いまのところは、あの2人以外にそんな顔ぶれはいないが。
もしかしたら、いつの間にか現在ここに居る中で、そういう間柄になる者たちが出てくるかもしれない。
そんな場合に備えて、小さくてもケーキをいくつか多めに用意しておこう、と。
カークにそんな提案をした。
まさか、他のカップルがその後やってくるなどとは思っていなかったが]