[目を閉じた彼女の顎を掴み、唇を合わせて舌先で歯を抉じ開ける。
流し込むのは赤い毒。甘い恩寵の麻薬。
口腔内を舌で味わい尽くし、彼女がしっかり飲み込んでしまってから、口を塞いでいた唇と手を離した。]
君から奪ってばかりでは私も気が引ける。
褒美の代わりに、私の力を少し分けてあげよう。
君の感覚は、ずっと鋭くなる。
視覚も、嗅覚も、もちろん触覚も。
針が落ちたほどの刺激でも、とてもよく感じるはずだよ。
[あらゆる感覚を鋭敏にする力。
痛覚や、もっと淫靡な感覚までも、とは説明しなかったけれど。]