[資料室の場所は、覚えていた。
何度かデータを確認しに行ったから。
やがて、資料室の前にたどり着く。
資料室の中に、目を向けると、そこにいたのは、4人の人間。
乗員らしき男性が2人、サラリーマン風の男性が一人、そしてー浮いている女性。]
べ、ベルさん?
[思わず、声をかける。
部屋の中の空気は、張りつめていた。
そして…やがて、サラリーマン風の男性ー「タイガ」と呼ばれていたかーが、対峙する乗員風の男性の一人に襲いかかる。
その姿が狼に見えたのは、果たして暗い部屋が生み出した錯覚だったか。
私は、ただ呆然と見ていることしかできなかった。]**