―鏡の間―
[愚かな狐の心の隙を、聡明な父>>+48が見逃す筈はなく。
『お前は何を考えている?』
核心を突いた言葉が鼓膜を震わせるのと同時、びくりと怯えた]
――――――……ンっ。
[何か言おうとして、すぐに言葉にならず。
其れを見透かすように耳に触れる舌へ、吐息を零す。
怖くて。無意識に手首を捩れば、抑える力は強まったか]
今宵は、どうされましたか。御父様。
きっと宴の熱に浮かされていらっしゃるのです。
[続く言葉>>+49に、何も返すことが出来ず。
浅く付けられた傷。彼がこの肌に。首筋に。触れてくれることだけで、自分には至上の悦びなのに。赤が流されていくだけで、昂ぶっていくのに。
彼の残酷な言葉に、胸が締め付けられた心地になる]