[ふさふさの尾がレトをゆっくりと撫でる。目を閉じれば、こうして頭を撫でてくれた人の顔が浮かんだ] ……なんで、死なないんだろうね[喜々として情報を持ってくるイドは追っ払っている。上の様子はわからない。どうしようもないことに、手を伸ばすことはしない] いや、吸血種だからってわかってるけどさぁ[さすがに暑いだろうかと暫くしてからようやく身を離す。胡坐をかいて俯けば、否応泣くネクタイが目に付いた]